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2007.02.17

地球温暖化対策・京都議定書と、映画:不都合な真実-否論への意見

1997年12月11日の地球温暖化防止会議・議定書である京都議定書。
これに米の現政権が批准していない事を非難する目的(と、私には思われる。勿論次の選挙狙いだろうが)で、元アメリカ副大統領・アル=ゴアが「不都合な真実 (An Inconvenient Truth)」という映画を作っている。国内主要都市でも公開中、地方でも3~4月には公開されるらしい。
これに対して、否定的な論評がネット上に上がり始めた。
脊髄反射的には、反対するなどもっての他だという感情が沸くのだが、何しろ企画元がアメリカの有力な政治屋である。これだけでも非常に注意してかからねばなるまい。しかも、日本苛めのスーパー301条を出しくさったクリントン政権での副大統領であるから、とても手放しで歓迎する訳には行かない(まー、次のブッシュ政権は、んな事ぁ一吹きで忘れさせてくれるくらい無茶苦茶な政権な訳だが)。
又、

(1)地球温暖化というだけで、反対してはならない社会風潮がある。この風潮は少なくとも15年は続いているので、それにつけこんだ、いい加減な内容の説が結構出てきている可能性は拭えない。
(2)京都議定書も、何カ国も集まって、利害関係で喧々諤々の議論の上、やっと決議されたもの。矢張り政治的な思惑が優先されるだろうから、何かしらの事実歪曲・握り潰しが行われているのは想像に難くない。また、形骸化・現実離れした部分も、当然あるだろう。

という事も充分に考えられるので、この映画や京都議定書に否定的な論評も、目を逸らさずに見てみる事にする。
とりあえずネット上の記事で、いくつかピックアップ。

[CSRあれもこれも、担当者の汲めど尽きぬ話]
http://blog.canpan.info/csr_nikko/archive/51
[Yahoo!知恵袋]
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=1310619013
[220年後、人類死滅!(温暖化の真、原因と対策の真)]
http://blog.livedoor.jp/jeremias/
(上記Yahoo!知恵袋 回答者の一人・golem_zee氏の頁)
[はてな匿名ダイアリー]
http://anond.hatelabo.jp/20070125145018


まぁ、上記の懸念通り、ゴアの映画や京都議定書にも、結構嘘はあるという事だ。

私としては、「CSRあれもこれも~」の姿勢が一番好ましく思う。「危機をあおっても感覚が麻痺するだけですから、」という所は特に。但し、「同じカネを使うならもっと違う使い方があるだろうに。」という意見には疑問がある(後記はてな匿名氏関連部分参照)。

golem_zee氏の意見は、否定派、特にブッシュやブレアに偏っている傾向がある様に思える。産業革命以降のCO2増加が影響「していない」事を示すデータと説明が全然無い。又、温暖化の直接原因は、熱帯の海から放出されているCO2(根本的原因は8000年前くらいから始まった森林破壊)だという説は、始めて聞いた。まぁ、始めて聞いたから嘘だというつもりもない。というより、もっと学説の表舞台に立ってもいい気がする。根本原因の方はとても頷けるし、根本解決は大規模植林、というのもそうだ。
このままおっぽらかしておいたら、とんでもない事になる、という結論は、この人も私も変わらない。だが・・・だとしたら、何故にこう、ブッシュ寄りの書き方をするのかが、わからない。温暖化規制は、引いては自然環境破壊防止にも繋がる訳だし、大体ブッシュが京都議定書に反対している一番の理由は、自身が深く関わる石油業界と関連する、国内の自動車・電気産業が反対しているからだという事を、知らないのだろうか。
勿論私がマスコミに踊らされて、ブッシュを偏見の目で見ている可能性はあるが、今までの所、彼が自分や自分の支持者の利害ではなく、地球全体の利害で行動している証拠は、見た事が無い。

はてなの匿名氏の意見だが、ゴアの映画の多くの矛盾点・ごまかしについては、とても参考になると思う。だが、根本的な所で意見が異なる。
<引用>
「不都合な真実」は三点を指摘します。地球温暖化は本当だ。将来は壊滅的な状況になるぞ。それについて考えるのが私達の最優先事項になるんだ。しかし映画のプロデューサーには不都合な話ですが、正しいのは最初の一つだけです。
多くの影響力ある人たちが地球温暖化の存在さえ否定している国において、ゴアがこうした流れに逆らっていくのはなかなか良いことです。ですが彼の終末論的な主張は多くが事実と著しく異なっています。しかし一番大きな誤りは、地球温暖化の問題を認識したからには、人類はそれに対して行動すべきである、道徳的要請があると主張しているところです。この意見は世間知らずで、不誠実にさえ思えます。
私達には簡単に解決出来るはずの地球上の問題が無数にあります。
(中略)
こうした問題に直面しているのに、なぜ地球温暖化防止を最優先事項にすべきなのでしょう?ゴアの主張を吟味してみると、説得力の無さに気付きます。
</引用>
この「一番大きな誤り」こそ、考えが間違っていると思う。他の点では、参考になる事多々である為、非常に残念だ。
今まで何年の間、地球温暖化についての具体的取組が先送りにされてきたか?私が知っている限りでは、実際の取り組みを始めたのは、今回が初めての事だ。ずっと、「首が絞まって、どうしようもなくなる前に、少しでも早く取り組まなければ」という声が上がり続けていたにも関わらず、だ。
「世間知らず」というのは、優先順位を考えろという意味に思える。だが、それこそ良く考えて欲しい所だ。今の現実として、太平洋の小さい島国では、海水面上昇で、自国がなくなりつつあるのだ。もし、小さい島国の被害など、世界全体から見たら大したものではないという「合理的」判断なのならば、傲慢だし、自分の身になって考える姿勢が無い証拠だ。大体、日本だって、いつ「世界全体から見たら大したものではない」という扱いを受けるか、わかったものではない。
それに、では、何時対策するのか?
「順次・適宜に対策」などというものが、実際に行われる事など、人間の性質上、殆どありえない。何か、強力な強制力が発動しなければ、本来怠け者の人間の性質上、いつまで経っても対応なんぞしないのだ。このまま何もしないでおっぽらかしておいたら、子孫達はにっちもさっちも行かなくなり、必死に対応しようとしても、何も対策ができず、先祖を恨みながら衰退していくだろう。
又、優先順位を考えるのならば、ブッシュがイラク戦争失敗の意識逸らしに、急に始めた月・火星の有人旅行計画(現段階の総額予算:150億ドル)の方をやめさせるべきだろう。この金をこそ、世界中に配分すべきだ(このプロジェクト自体には、わくわくするものを感じるのも事実だが)。


私の結論としては、
・今回のゴアの映画は信憑性に欠ける所多々あり。本件についてはプロパガンダも悪く無いが、科学的根拠薄弱なので、逆効果だ。
・かといって、CO2削減努力は無駄かと言えば、全然そんな事はない。
という事になる。


[蛇足:京都議定書について]
(1)地球温暖化に対して、史上始めてと言っていい程、具体的な対応策を記載したものである。
(2)世界最大のCO2排出国と考えられる米は、現在も批准していない。
因みに、当時の米のクリントン政権は批准の方針だったが、国内の自動車・電力産業の反対で断念。次のブッシュ政権は、当然の様に批准していないどころか離脱した(対照的に米国内の219都市は批准している)。
(3)矢張り世界最上級のCO2排出国と考えられる中国・インドは、批准はしている。しかし削減義務は無い。

参考:Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E8%AD%B0%E5%AE%9A%E6%9B%B8

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Comments

温暖化で利益を受ける地方も多い。
寒波による死者、雪による交通事故がなくなるだけでも大歓迎。

海面上昇は他の原因ともいわれている。仮に関係があるにしても堤防作ればいい。ゼロメートル以下に住んでいる人は日本でもたくさんいる。堤防で対応できる証拠だ。

Posted by: トミー | 2007.10.27 at 04:10 PM

トミーさん、コメント有難う。
その堤防は誰が作る?誰が金を出す?日本は金があるから作れるが、ツバルだのの貧困国はどこからもその金を捻出できはしない。又、作っただけで終わりではないよ?維持しなければならない。その金が何処から出る?
それ以前に。
堤防に囲まれる事で生活・自然環境が変わる。自然災害ならいざしらず、人災で何故そんな影響を甘んじて受けなければならない?

Posted by: growwind | 2007.12.11 at 08:08 PM

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